June 9, 2026
nicoです。 最近、心をつかまれた本の紹介
なんなんだ。とにかく面白い。訳が分からない。 『ハリー・スミスは語る』を読み始めてから、ずっとそんな状態だ。 ハリー・スミスは民俗音楽を収集し、映画を撮り、人類学に首を突っ込み、魔術や錬金術にも関心を寄せた人物。 普通なら「何をしている人なのか」を一言で説明できそうなものだが、この人はどこまでも説明から逃げていく。 音楽の話をしていたかと思うと神話になり、人類学になり、また別の場所へ飛んでいく。そのつながりが見えない。 本の中に、ハリー・スミスがあやとりをしている写真がある。 ハリー・スミスはあやとりまで集めていた。 それは変わった趣味というより、民謡を集めることの延長だったのだろう。 人から人へ伝わり、形を変えながら生き残るもの。 彼はそういうものに取り憑かれていた。 その写真を見ていて思った。 彼には、私には見えない糸が見えていたのではないか。 民謡も映画も人類学も魔術も、普通なら別々のものとして扱われる。けれど彼には、それらを結ぶ一本の糸が見えていたのかもしれない。 こちらにはただの糸のもつれにしか見えない。 だから訳が分からない。 でも、目が離せない。 今のところ『ハリー・スミスは語る』の感想は、それに尽きる。







